顎関節症に対する最近の治療コンセプト
顎関節症は運動器障害である。
運動器とは 筋肉、関節、骨で構成されている。
顎口腔系ではそれに咬むための道具として歯が加わり、咬合という特別な機構を作り上げている。
顎関節が身体の他の部位の関節と違う点は咬合する事である。
ゆえに今までは咬合の不調和を顎関節症の原因の中心にとらえてきました。
しかしながら最近の考え方は肩こりや腰痛と同じように整形外科的な運動器の障害とみなされるようになってきました。
様々な症状は主に関節と筋肉に現れます。
まれに悪化すると(慢性化すると)関節突起(骨でできている)が変形してくる事もあります。
通常、身体機能は脳神経から出された指令により運動器が働くことにより作り出されます。
口を開けたり閉じたりする動作、会話する時の口の動き方、食べる時の口の動き方はそれぞれ
微妙に速さや力加減が違います。
通常は加減できているのですがストレスが原因で異常な力で持続的に噛みしめたりすると筋肉や関節が破壊されます。
形態異常(咬み合わせ、歯並び)よりも疼痛や筋肉に対する治療が重視されるようになってきました。時間の経過とともに症状が軽減する事が多いので保存的、可逆的な治療法が第一選択となりつつあります。
歯を削ったり、歯並びなどの形態は変えずに安静、投薬、噛みしめなどの習癖の改善などに治療方法が変化してきています。